秘密が人を愚かにしたり、偉大にしたりする

今朝は7時に起きて、外では雨が降っていた。

私たちは、ふところに秘密を忍ばせて生きている。人間の人間らしさとは、すなわち、さまざまな秘密を取り揃えているところにあるのだと思う。

秘密が人を愚かにしたり、偉大にしたりする。秘密が人に、何かを作らせたり、何かを研究させたり、何かを傷つけさせたり、何かを愛するようにさせたりするのだ。

自分では秘密なんて持っていないつもりでも、何かがふと表面に出てきそうになると、それは秘密であったと急に気付いたり、急に思い出して焦ったりする。

社会では、秘密をたくさん持っているのにあたかもそんなもの持っていないかのように振る舞うのが大人のマナーだとされたりもする。何が秘密であるかは時代によっても変わっていくし、社会の変化というのはすなわち秘密に関するルールの変化なのだと言ってもいいかもしれない。

人には必ず秘密があるから、人は他人を知り尽くせない。秘密はしばしば無意識だから、人は自分でも自分の全てを知り得ない。

人間の不思議さは、人間の秘密の不思議さなのだ。









  • URLをコピーしました!
目次
閉じる