いろいろなことをきちんと思い出さないまま死んでいく

読み慣れた本を、外国語で読み直すと、少し面白い。

夏の暑い季節になると、小学校時代のことを思い出す。冬の寒い季節になると、大学生の頃のことを思い出す。

私は、これまでの人生のところどころについては、よく覚えている。しかし、もうまったく覚えていなかったり、忘れているということにさえ気付いていないことの方が、圧倒的に多いはずである。

自分の人生のさまざまな瞬間のことを、きちんと思い出すことがないまま死なざるをえないというのは、よく考えると、なんだか恐ろしいことである。当たり前といえば当たり前なことかもしれないけれど、すごく乱暴な宿命であるような気もしてしまう。

今朝、うちを出て、夏の日差しに目を細めて歩きながら、ぼんやりとそんなことを考えてしまった。










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