平凡で静かで退屈な日々の方がいい

「忙しそうな犬」は想像できるが、「忙しそうな猫」は想像できない。

新しい経験をしたり、知らない人と会ったり、初めての場所へ行くなどして、さまざまな「刺激」を受けてこそ、新しい発想が生まれる、と言う人がいる。だが、私にはそれがどうもよくわからない。

私は、平凡で、静かで、退屈な毎日の方が好きである。長いこと毎日欠かさずに日記を書いているけれど、何か特別な出来事があると、かえって日記を書くのが面倒になってしまうくらいである。

本や論文の原稿執筆も、平凡で退屈な毎日の繰り返しでないと、なかなか進まない。平凡で退屈だからこそ、新しい疑問や発想が思い浮かぶものだからである。

子供の頃から、遠足とか運動会とか修学旅行のような特別なイベントは、嫌いではないけれど、別に好きでもなかった。私が好きだったのは、同じことの繰り返しのような、単調な生活だった。

この傾向は、昔も今も変わらない。今後も変わりそうにない。









  • URLをコピーしました!
目次
閉じる