3日くらい前から、セミが鳴き始めた。
エレベータで同僚と一緒になった時、彼が「今日も暑いですねぇ。とうとう、セミが鳴き始めましたね」と言った。私は「そうですねぇ、いよいよセミの季節ですね」と答えた。
彼は穏やかで感じのいい人なので、もう少し雑談をしていたかったけれど、彼は私が降りる階とは別の階でエレベータを降りて、「じゃあ、また」と言って先に行ってしまった。
私はエレベータの中で一人になってから、「セミって、なんであんなに大きな声で鳴くんでしょうかね」とか「うるさい、という言葉は漢字では〈五月の蠅〉って書きますけれど、〈七月の蝉〉の方がいいんじゃないすかね」とか、「3年くらい前の夜、近くの公園でセミが幼虫から脱皮してセミになる瞬間を見たことがあるんですよ」とか、頭のなかで一人で勝手にセミについての会話を続けてしまった。
今学期の授業も、あと2週間で終わる。
さっきスーパーで、チョコミントアイスを買った。