この連休は、大正史の本を読んでいる。
明治や昭和とくらべると、大正は15年しかないし、ちょっと地味な印象がある。だが、ある大正史の本でその著者が「昭和は大正の決算であり……」と書いている通り、昭和にみられた日本社会のある独特な傾向は、確かに大正期を土壌にして育まれているとも言える。
ある時代は、常にその前の時代の帰結であると同時に、次の時代の土壌である。
歴史の本を読むということは、さまざまな物事や事柄の因果関係に気付くということだけれど、なかでも皮肉な因果関係に気付いた時にこそ「なるほど」と思い、面白いと感じる。
そして、ある歴史における皮肉の発見は、人間や社会についての哲学的・宗教的反省のきっかけになる。