「素直」という言葉はよくわからない

明るい時は青いと言うが、暗い時は黒いとは言わない。

「素直」という言葉は、よく考えると、よくわからない。

例えば、その社会の「常識」に対して「素直」な姿勢があるとしたら、それはどういう姿勢のことを言うのだろうか。

「素直」であるならば、従順に常識を受け入れてそれに従うべきなのだろうか。それとも逆に、「素直」であればこそ、堂々と常識を疑ってそれに抗するべきなのだろうか。

宗教とか、芸術とか、軍事とか、政治とか、世の中のさまざまな場面を見ていると、何かについて信じている人も、またそれについて疑っている人も、それぞれが「素直」であることを奨励しているように観察される。

素直だから善人で、素直じゃないから悪人なのか、それとも素直じゃないから善人で、素直だから悪人なのか。

「素直」は、意外と面倒である。









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