自分が人からどう思われるかを気にする

木というのは静かな生き物だな、と思う。

ちゃんとした人間になりたいなぁ、と思っている。そうなれるよう、心がけているつもりである。だけれども、実際には、人からどう思われるかを気にしてばかりの人生である。あの人からどう思われるだろうか、こっちの人からはどう思われるだろうかと、そんなことばかり気にして生きている。

自分が人からどう思われるかを心配する、ということは、普段から私自身が他の人々を見たとき心の中では冷酷な批評をしてしまっているからかもしれない。自分自身が日常的にそうしているから、他人も自分をそういう目で見ているに違いないと思い、警戒し、不安になるのだ。まさに「自分の量る秤で量り返される」である。

では、もし自分が、普段から周囲の人々を見ては心のなかで温かなことばかりを考えるようにして、やがてそれが当たり前になったら、他人からどう思われるかなど気にならなくなれるのだろうか。それは、私に可能なのだろうか。また、多くの人がそう出来たとして、それは果たして正しい社会、幸せな社会でありうるだろうか。







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