
また夢に職場の同僚が出てきた。その夢から覚めた数時間後、大学内でその同僚と会ったので「あっ」と思ったのだが、「あなたが夢に出てきましたよ」と言っていいものかどうか逡巡して、結局何も言わなかった。
気持ち悪いと思われるかもしれないし、そうでなくても相手は返す言葉に困ってしまうかもしれない。どんなシチュエーションの夢だったのかと問われても、その細部を教えるのは恥ずかしいからである。
結局、その相手は、私の夢に出てきたということを永遠に知らないまま残りの人生を過ごす。
だが同じように、私も誰かの夢に出てきていて、しかしその人は黙っているので私は知らないまま、ということがすでにある可能性もある。