どうして彼はこんなにいい青年に育ったのか、という不思議さ

コピー機に紙を補充しようとしたら、ぎっくり腰になって地面にひざをついた。

ときどき学生のなかに、頭の回転が早くて、読書家で、変わった面白い趣味も持っていて、人柄もすごく良い聡明な青年がいる。そんな時、どうして彼はこんなにいい青年に育ったのだろう、と不思議に思ったりする。

ただし、その際の「不思議さ」とは、彼の生活環境や努力や運やめぐりあわせなどといった因果関係についての疑問のことではない。では、いったいどういう意味の「不思議さ」なのかというと、実は自分でもよくわかっていないことに気付いたので、さっきまで、それについて、ぼんやりと考えていた。










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