今日は静かな一日だった

確かこの近くに、五重塔があった。

今日は授業も会議もない、静かな一日だった。

今朝は大学に着いてから、まず仕事のメールを2つ書いた。それから朝昼兼用の弁当を食べて、食べ終わったらすぐに明日の授業で使う講義ノートのチェックをした。それらが終わって時計を見たら、もう午後2時になっていた。

ふと、来月の会議について少々不安なことがあり、某先生に相談をしなければいけないということを思い出した。そこで研究室を出て、エレベータで上の階にのぼり、直接その先生の部屋へ行った。ところが、ドアをノックしても反応がなく、留守のようだった。今日は彼も授業がない日なので、自宅で仕事をしているのかもしれない。

しょうがないので自分の部屋に戻り、少し長いメールを書いて懸念事項を伝えた。すると、1時間もしないで「大丈夫です、問題ありませんよ」という優しい文面の返信があり、私はとても安心した。

安心したので、私はお湯を沸かしてコーヒーを入れ、ある人からいただいたどら焼きを食べた。それから帰宅するまで、いま書いている本の原稿のための資料を読んで過ごした。

今日は、一日中大学にいたけれど、誰とも、一言もしゃべらなかった。静かだった。

誰とも会話をせずに一日を終える、ということがこの仕事では珍しくない。心配事も杞憂に終わり、弁当も、コーヒーも、どら焼きも、美味しかった。

静かな一日ほど、ありがたいものはない。







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